この映画がすぐれているのは、歌舞伎座を役者のみならず、裏方、表方、そして観客まで、すべての劇場関係者の「生活の場」と捉え、生き物としての劇場の「呼吸」を活写していること。その点、珍しいカットが多数あり、貴重な映像資料となっている。(2011年 随想・漫筆・余滴 犬丸治)私も見ましたが、実に素晴らしいドキュメンタリー映画です。多くの役者が歌舞伎座は他の劇場と違うと言っていましたが、その訳が分かります。歌舞伎座で働く全ての人たちのパワーを頂いて、舞台に立つからです。大勢の人たちの協力いや心意気が加味されるからです。あそこで働いていた人たちは、今どうしているのかしら?新歌舞伎座に戻ってくるのでしょうか?
愛ちゃんの手をとって楽屋口を去っていった富十郎の姿にも胸が痛みます。サヨナラ歌舞伎座、ササヨナラ富十郎さん。