2017年7月14日金曜日

<笛方芸談・銀河のかなたに>藤田六郎兵衛 ミスさせない後見の父

亡くなる四カ月前、久しぶりに父の後見をした。曲は「隅田川」、シテは先代の観世銕之丞(てつのじょう)師。父の笛の音が少し弱くなったなと感じていた私の思いを吹き飛ばすような鋭い気合で、父は特別なアシライ(謡の中に吹く譜)を吹き出した。この特別なアシライを伝えたいという思いと、「お前に吹けるか?」という二つの思いを私にぶつけていると感じた瞬間、涙が込み上げてきた。その涙は、能が終わるまで止まらなかった。(東京新聞:<笛方芸談・銀河のかなたに>藤田六郎兵衛 ミスさせない後見の父:伝統芸能(TOKYO Web))
こんなドラマがあるのですね。