当月、歌舞伎座の昼の部で上演されている歌舞伎十八番の内「矢の根」では、劇中で右團次さん扮する曽我五郎が仁王襷(におうだすき)を結ぶ場面があります。この時活躍するのが後見(裃後見)で、お客様の目の前で太く長い縄を巧みに締めて(結んで)参ります。勿論、後見は本来登場人物ではなくそこには居ない人として扱われるのですが、締め終わると客席からは拍手が沸き起こります。(今回は右左次さんが後見を勤めております。)
現実と非現実、嘘と誠、こうした曖昧な中にある暗黙の決め事、そして、何と言ってもライブの楽しさ!そんな不思議な魅力がある歌舞伎って本当に面白いと感じる今日この頃です。(【笑三郎だより】)後見さん、カッコイイです。実際結ぶの大変そう、でも拍手があるとヤリガイがあります。