「七十年続いた“男の芝居”も女性観客主流の時代には勝てなかった」と書いたが、それは女座長芝居の隆盛を意味していた。「後継者がいない」という島田の言葉も載せた。ただ、その中で永山武臣(当時松竹社長)は、「解散は残念だが、新国劇の精神はきっとだれかが受け継いでいくと思う」と語っている。それが笠原たちであったわけだ。(焦点・劇団若獅子結成三十周年記念公演: 河村常雄の新劇場見聞録)