ある時期までは大衆の娯楽であったのに、いまや文楽は、誰もがふらりと足を運ぶ芸能ではなくなった。元NHKアナウンサーの山川静夫さんは学生時代は歌舞伎に通い詰め、大阪勤務時代には「毎日が文楽と共にあった」という。劇場や番組で接した技芸員らとの交友をつづる『山川静夫の文楽思い出ばなし』(岩波書店・1836円)を読むと、その思い出自体が貴重な記録だと思えてくる。(本の記事 : (オススメ 編集部から)文楽は実は面白い - 大上朝美 | BOOK.asahi.com:朝日新聞社の書評サイト)