2017年10月23日月曜日

児玉竜一の劇評 2017年10月 国立劇場

大胆にして細心、強悪非道の水右衛門を、仁左衛門が水際立った役者ぶりと重厚なせりふ術で造形する。八郎兵衛と早替(がわ)りする2幕目が眼目で、中でも「焼場(やきば)」で燃える棺桶(かんおけ)からの登場が最高の見せ場。冷酷無残な殺し場が続いても、それを悲惨と思わせず、お芝居の楽しみ、慰みに転換してみせる稀有(けう)な芸質である。((評・舞台)国立劇場「霊験亀山鉾」 仁左衛門、冷酷な「悪」も見せ場:朝日新聞デジタル)
ここは圧巻でしたね。