菊之助の着眼がそこにあり、本作が肚(はら)にインドの物語を据えつつ、展開はすべて古典歌舞伎の仕様であり意匠である。浄瑠璃、三味線が主導し、ガムラン音楽風な木琴の調べがエスニックな情感を湛(たた)える。両花道を使い、つらね、見得、くどきなど、万全な時代物風味。新作歌舞伎の方向性を指針したのではないか。(【鑑賞眼】「マハーバーラタ」歌舞伎化でインド神話と源平の無常感融合 歌舞伎座「芸術祭十月大歌舞伎」(1/2ページ) - 産経ニュース)歌舞伎のエキスが散りばめられていて、スンナリ物語の中に入っていけます。