2017年11月17日金曜日

矢内賢二の劇評 2017年11月 歌舞伎座

歌舞伎座の顔見世は円熟の当たり芸がずらりと並ぶ。「奥州安達原(おうしゅうあだちがはら)」の中村吉右衛門の貞任は、時代物ならではのスケールの大きさで滅びゆく反逆者を描き出す。悲痛さが胸にひびく中村雀右衛門の袖萩、苦衷を押し包む中村歌六の直方、情愛に満ちた中村東蔵の浜夕、豪快な中村又五郎の宗任とそろって緊密な空間を作り出した。竹本葵太夫、鶴澤慎治の浄瑠璃が骨太のドラマを支える。(東京新聞:<評>円熟の当たり芸ずらり 歌舞伎座「吉例顔見世」:伝統芸能(TOKYO Web))
吉右衛門・菊五郎・仁左衛門・藤十郎・幸四郎が全員ニンのお役で歌舞伎の魅力満載といった顔見世です。