2017年12月27日水曜日

上村以和於 随談第602回 歳末あらかると

第3部。『瞼の母』はよかった。歌舞伎俳優中車として記念すべき初本塁打である。
つくづく思ったのは、こういう狂言の場合、仁と柄にはまるかどうかが勝負だということで、一に菊之助、二に錦之助がいいのはそれ故で、一方、又五郎の苦心の演技も報われにくいのは同情に値する、ということになる。そうなると今更ながら、東蔵や歌六の存在感というものがものをいうわけで、彼らが出てくればちゃんと大人の芝居になるのだから、論者が何と言おうと、結局、芝居というものは鍛え込んだ役者の腕なのだ、という当たり前のことを改めて思うことになる。(随談第602回 歳末あらかると | 演劇評論家 上村以和於公式サイト)
実に的を得た批評ですね。
相撲のこともいっぱい語っています。