2018年2月7日水曜日

河村常雄の劇評 2018年2月 歌舞伎座

最後は「仮名手本忠臣蔵・七段目」。白鸚の大星由良助で二か月におよぶ襲名興行を締めくくる。敵討ちに凝り固まらず、優しく人間味豊かな由良助である。現代の由良助像であろう。、孫の染五郎が力弥を神妙に勤める。 平右衛門・お軽の兄妹は奇数日が仁左衛門・玉三郎、偶数日が海老蔵・菊之助のダブルキャスト。偶数日を見た。海老蔵はおおらかに足軽を演じる。軽輩もの悲哀に乏しいが妹思いのいい兄である。菊之助は瑞々しいお軽。いいコンビである。 錦吾が斧九太夫を好演。(河村常雄の新劇場見聞録)
現代の由良之助像。過去の俳優の由良之助をずっと観てきた者には、どうも違うという印象でしたが、白鸚の由良之助もありだと思います。