「自分の体が年月を経て楽器になっていくのが歌舞伎だと、僕は思います」。声、息使い、立ち居振る舞い、体を通して歌舞伎をつくり上げることは、20年以上やってきた映像の世界とは真逆でした。画角に入る上半身に力を込めてきたことが、「(舞台の)板の上で重々しく立つことをどれだけ阻害しているだろうと思うと、相当なマイナスです」。しかし、この年齢で挑戦することがあるのはうらやましいと人に言われ、「最近は、きついだけではない瞬間も、少し芽生えてきている気がします」。(中車が浅草芸能大賞奨励賞受賞、又五郎「スターの手型」顕彰 | 歌舞伎美人(かぶきびと))歌舞伎を演じる上で体がいかに大切か、また大変か、しかし感動は確実に観客に届きます。ホンモノです。