松也の鳶頭、種之助の宗之助、寺嶋眞秀の丁稚長松を見ていると、世代が確実に交替しつつ、菊五郎劇団のDNAが受け継がれていくのを感じた。
いずれは『六歌仙容彩』の通しが期待される菊之助。女方舞踊だけではなく、立役の舞踊も、勘三郎、三津五郎なきあとは、この人が規矩正しく継承していくのだろう。その試金石となるのが、今月の『喜撰』と六月の『文屋』である。(長谷部浩の劇評 TheaterGoer Directory)