現代では花嫁を連想させる角かくしですが、芝居では「外出中」「旅行中」のサイン。油で整髪する日本髪はほこりがつきやすく、元々は、ちりよけの実用品でした。「忠臣蔵」八段目では、娘を嫁入りさせるため、つきそいで長旅をする母・戸無瀬(となせ)も角かくしをしています。「屋敷娘」は、奉公先の武家屋敷から宿下がり(休暇の里帰り)をする娘の様子を描いた舞踊。振り袖と矢の字結びの帯という腰元らしい姿に、角かくしをして登場し、ウキウキと外出している様子を表現しています。(東京新聞:<新かぶき彩時記>角かくしと紫帽子 雰囲気かもすかぶり物:伝統芸能(TOKYO Web))道中ですと宣言しているようなものですね。