梅玉の静に対して、彦三郎がか感情をストレートに表す家臣・池田大助で場にアクセントを付けた。そして梅玉と共に場を盛り上げたのは葵太夫の竹本である。午後3時直前に語り終えたが、4時半からの歌舞伎座「楼門五三霧」に出演している。感心した。 右團次が純朴な青年から希代の詐欺師に変貌する様をうまく演じている。(河村常雄の新劇場見聞録)