会場は藤十郎の部屋と仁左衛門の部屋に分かれており、それぞれ22点の作品が展示されている(計44点)。舞台の本番が見事に切り取られていて、2人のしぐさや表情、 芸風の違いを見くらべることができて興味深い。 「僕が撮る歌舞伎の写真は、型が決まったところを狙うんじゃない。役者がワーッと乗ってきた時の感情の発露みたいなものをギュッと捕まえた時に『これはいい写真だな』と思うんです。そんな時は本当にその人と気持ちが通じて、舞台の上で一心同体になった気分です」と篠山は話す。 また、本展は会場構成も独特だ。通常の写真展はフレーム入りの写真が横一列に並ぶことが多いが、本展では大小様々なプリントがインスタレーションとして配置されている。壁面の色も白ではなく、藤十郎の部屋は藤色、仁左衛門の部屋は緑色だ。これはそれぞれの一門(山城屋と松島屋)の裃の色からとっている。(篠山紀信、坂田藤十郎と片岡仁左衛門が競演する京都初個展「歌舞伎」を語る/関西/芸能/デイリースポーツ online)藤色の部屋、緑の部屋、良いですね。