2019年4月15日月曜日

河村常雄の劇評 2019年4月 歌舞伎座

次の「新版歌祭文」は「野崎村」の前に「座摩社」が付いて分かりやすい。又五郎が油屋手代小助で小悪党ぶりがうまい。「野崎村」は歌六の久作、時蔵の久作娘お光、雀右衛門の油屋娘お染、錦之助の油屋丁稚久松、秀太郎の油屋後家お常と、実力派が揃い、堅実な舞台になった。ラストでお光の哀れ、久作の慈愛がよく出た。ここで梅に鶯、新年号に不思議に一致している。(河村常雄の新劇場見聞録)
梅はお光につきものですが、新年号を意識したわけではないでしょう。