2019年4月5日金曜日

長谷部浩の劇評 2019年4月 歌舞伎座昼の部

昼の部は、菊五郎の白井権八、吉右衛門の幡随院長兵衛による『御存 鈴ヶ森』。菊五郎に瑞々しい若衆ぶり、吉右衛門の貫目。もう、二度とは見られない顔合わせの演目で、時間の都合がつくならば、一幕見でも観ておくことを強くおすすめしたい。こうした規範となるべき技芸は、継承は言葉でいうほど容易ではなく、いずれゆっくりと崩れ去っていくのだろうと思わせる。 「斬っておしまいなさい」と長兵衛、権八の身体がすっと動く。この息と息を覚えておきたい。(長谷部浩の劇評  TheaterGoer Directory)
平成の菊吉時代を思い起こすと、この芸の数々に感動し、歌舞伎を堪能したことは実に幸せでした。まだまだお元気で居られるので、令和になっても最高の芸を見せて頂きたいです。