続いて猿之助の『黒塚』。亀治郎から改名した平成二四年七月の新橋演舞場から回を重ねているが、演出を練り上げ、家の芸を当代猿之助ならではの芝居としている。前段の荘重な運びから、月光のもとの軽やかで浮き立つこころのある踊り。そして閨の内が明かされてからの魔性まで。観客をあきさせず、あゝ、楽しかったとお土産を持たせるのは、沢潟屋の家風だろう。太郎吾に猿弥。身体の切れ味を見せ、猿之助と拮抗する気概がある。(長谷部浩の劇評 TheaterGoer Directory)第二景を堪能するには2階3階席が良いですね。4月なのに秋を感じることができるかな?