平成最後の歌舞伎座は、何と言っても、菊吉競演の『鈴ヶ森』と仁左衛門の実盛が眼福であり、各優それぞれに、これが仕納めとの思いが犇々と伝わってくるのが胸に迫る感があった。前月の盛綱に続く仁左の生締役の良さは、今後もうこれだけのものは見られまいと思わせる。(演劇評論家 上村以和於公式サイト | 歌舞伎の評論でお馴染みの上村以和於です。)