舞台に幕はなく、使われる道具は木箱や床几など簡素なものだけですが、そこへ俳優たちの演技が重なると、各場面の様子や転換が容易に想像でき、おのずとリアリティーが高まります。また、つくられた花道だけでなく、客席の間の通路も花道として使われるため、観客と同じ目線の高さで演技が行われる場面も。通常では見られない角度から舞台を味わえる観劇スタイルは新鮮で、かつ実際の人々の暮らしを、傍らから眺めているような感覚で楽しめます。(「オフシアター歌舞伎」『女殺油地獄』熱気とともに初日開幕 | 歌舞伎美人(かぶきびと))