これを要約すれば「三谷かぶき」は、リアルに人間を書いたところが大成功。 なまじ歌舞伎の様式を意識をしたところがつまらない。真山青果にしろ大佛次 郎にしろ長谷川伸にしろ別に歌舞伎の様式や手法を意識して新作を書いたわけ ではない。本当に歌舞伎を書くならば人間が第一。それが悲劇であれ喜劇であ れ歌舞伎っぽい包装紙は要らない。もし三谷幸喜がそう思い切ってくれれば 「三谷かぶき」大賛成である。(2019年6月歌舞伎座夜の部)