その後の「酒のさの字」の太郎冠者との連れ舞はガラリと変わって楽しい。 とかくだれでもこの踊りは笑わせよう、受け狙いの踊りになりがちなのをグッ と舞台を締めて必要以上の芝居をしないのもいい。 これで前半の酒の酔いの表現が快く、しかも細部に生きてくればなおいい。 亀蔵の太郎冠者が、この上出来の松緑に食らいついて力一杯の踊り。松緑・亀蔵コンビの踊りが見たくて鑑賞教室に行ってきました。ウケを狙わず本来の狂言の楽しさを表現していて、とても良かったです。
若い歌舞伎 役者にはドラマらしい起伏がなく、しかも様式で雁字搦めになっている「車引」 のような作品は、とらえどころがなくてむずかしいのかも知れない。(2019年7月国立劇場)車引、役者の大きさやニンとかが揃っていないと、実につまらない一幕になってしまいます。