2019年8月16日金曜日

河村常雄の劇評 2019年8月 歌舞伎座

第一部は「先代萩」から。「御殿」で七之助が玉三郎の指導を受け女形の大役・政岡に挑んだ。 栄御前を迎えるあたり貫禄不足を感じるが、全編卒なくこなしている。忠義のために死んだ千松と二人きりで向き合い「でかしゃった」と嘆く件は母親の情があふれる。若手ながら独特の存在感で大役を乗り切った。立女形の道が開けてきたのではないか。(河村常雄の新劇場見聞録)
古典の勉強をするのがこの納涼歌舞伎の目的であるので、七之助の奮闘は好感が持てます。片はずしが出来れば立女形として認められるでしょう。