また、七之助ばかりではなく、だれが演じてもまだるくなりがちな場面を、勘太郎と長三郎の芝居が救っている。このふたりの舞台に対する態度は、勘三郎ゆずりであり、場をきちんと持たせようとする意識に貫かれている。甥ふたりが無私の気持ちで演じるかたわら、七之助は坦々とこの件りをしおおせたのだった。(長谷部浩の劇評 TheaterGoer Directory)