考えてみれば歌舞伎の「時代物」は、たいていが牛若丸の時代である源平合戦や、その後の南北朝、戦国期を背景に、長く続く不毛な争いが引き起こす悲劇を描いている。「風の谷のナウシカ」の世界と通じ合う。それを感じたからだろう。新作の企画者でもある菊之助は記者会見などで繰り返し「歌舞伎との合流地点を探す」「古典の力を信じる」と語っていた。(歌舞伎と宮崎駿の交差点 「ナウシカ」伝統の技法で上演 :日本経済新聞)