しかし、やはり芯には、「生で舞台を観るよさを伝えていきたい」という思いがあるといいます。「この状況で何ができるか、模索しています。1時間でできる通し狂言はないか、とか。来月は隼人君や福之助君も活躍しますし、後輩の育成も考えていきたい。コロナがあっても、我々のやることは変わらない」。まずは今できることとして、「とにかく客席を、入るだけの定員で満杯にすることですね」。11月の舞台に臨む心意気を、この一言に込めました。(猿之助が語る、歌舞伎座『蜘蛛の絲宿直噺』|歌舞伎美人)
試行錯誤でネット配信をし、新しい表現方法と思いましたが、やはり「生」には叶いません。歌舞伎座という小屋で付け、柝の音、下座音楽、大向う、どれも欠かせないものです。役者はその音とともに演技をし表現するのが歌舞伎です。映像は他の劇場でも出来ます。猿之助の舞台は存分に生の楽しみ良さを体現できます。