「毛谷村」は片岡仁左衛門の六助が見もの。大袈裟(おおげさ)なことを一切せず、衒(てら)いのない芝居の内に温かい情が舞台いっぱいに広がる。微塵弾正(みじんだんじょう)の企(たくら)みを知っての怒りから幕切れに向かって、義太夫に乗っての演技はわくわくするような楽しさと鮮やかさ。(<評>国立劇場11月歌舞伎公演 鮮やか、仁左衛門の六助:東京新聞 TOKYO Web)