3月歌舞伎公演の演目の『時今也桔梗旗揚』をお引き受けしたのには、二つの理由がございます。一つは、岳父(中村吉右衛門)が武智光秀を演じた馬盥(ばだらい)の場に憧れ、岳父を通して明智光秀という人物に興味を持っていたことです。そしてもう一つは、先ごろ最終回を迎えたNHK大河ドラマ「麒麟がくる」の主人公も明智光秀でしたが、「反逆者」とされてきた光秀像が、実は天下泰平を望んでいた人物として見直される機運があって、私もドラマのファンでしたし、ちょうどお客様の関心も高まっている今、この役に挑みたいと思いました。(【3月歌舞伎】尾上菊之助が意気込みを語りました!| 国立劇場歌舞伎情報サイト | 独立行政法人 日本芸術文化振興会)