長らく埋もれていた今作の補綴(ほてい)を担い、戦後、「桜姫」を本格的に蘇らせた亡き郡司正勝は作品について、「高貴であるがゆえの自由奔放さといたずらの性をもつといった人間性を見透かした南北の眼光はするどい」と記した。埋もれつつあった南北作品が、この2人の俳優の出演によって息を吹き返し、磨き上げられた奇跡を、目の当たりにできる舞台といえよう。(【鑑賞眼】歌舞伎座「四月大歌舞伎」 36年ぶり奇跡の「桜姫」(2/2ページ) - 産経ニュース)