2021年5月26日水曜日

浮世絵師の鳥居清光さん83歳で死去 歌舞伎座正面の絵看板など手掛ける

 歌舞伎の絵看板は、上演する演目の登場人物や物語の一端を描いたもの。筋書(パンフレット)にも掲載されている。歌舞伎座によると、毎月書き下ろしで、上演中の「五月大歌舞伎」(28日まで)の絵看板も清光さんが描き、「六月大歌舞伎」(同3日初日)の絵看板も制作中だった。(浮世絵師の鳥居清光さん83歳で死去 歌舞伎座正面の絵看板など手掛ける - おくやみ : 日刊スポーツ)

今月の絵看板、もう一度見ておこう。毎月ありがとうございました。ご冥福をお祈り申し上げます。

2021年5月24日月曜日

矢内賢二の劇評 2021年5月 歌舞伎座

 

尾上菊之助の「春興鏡獅子(しゅんきょうかがみじし)」に見応えがある。初々しくきりりと引き締まった小姓の風情。踊りは形の一つ一つが美しく決まってたっぷりとした余裕と明るさがある。
「土蜘(つちぐも)」は上演時間の制約により間狂言(あいきょうげん)をカット。尾上松緑の僧智籌(ちちゅう)実は土蜘の精に暗い凄味(すごみ)があり、市川猿之助の源頼光が凜然(りんぜん)として舞台を一段と大きくしている。寺嶋眞秀(まほろ)の太刀持(たちもち)がしっかりしていて目を引く。(<歌舞伎評 矢内賢二>歌舞伎座「五月大歌舞伎」など 菊五郎の勘平に円熟の味:東京新聞 TOKYO Web)

出演の猿之助が意気込み語る

 「劇中での蓮長(後の日蓮)の気持ちと、コロナ禍にある現代の私たちの気持ちとは重なる部分があります。世の中を救いたい、人々に幸せになってほしいという、その根本の気持ちを伝えたいですね。“日蓮”というと、『宗教の芝居か』と敬遠される方もいらっしゃるかとは思いますが、心温まるものになるかと。内容で感動させられて、心にしみる芝居をしたい」と意気込みを述べた。(「日蓮」は“スーパー歌舞伎”とつけてもいいくらい?演出・出演の猿之助が意気込み語る(会見レポート) - ステージナタリー)

2021年5月17日月曜日

渡辺保の劇評 2021年5月 三部

 以上三点。形のよさ、中溜め、描写と三拍子揃っている。なかでも私が感動したのは、一つは「恨みかこつも」の手踊り、もう一つは「下はないりの白波の」である。前者はこの曲の性根ともいうべきもっとも大切な、この踊りの基調を決めるところであるが、菊之助はここが巧い。後者は菊之助の祖父梅幸得意のところ。その品位辺りを払うばかりであった。菊之助の巧さは梅幸よりもリアルである。まず舞台下手で谷底を覗き込む。二度似た振りがあって、その二度ともにさながら水飛沫を浴びて立つ女の美しさ。それから手に持った扇で円を描きながら上を見、下を見るのを繰り返しながら上手へ進んで行く。一身にして山頂の上を仰ぎ見てその高さを示し、一転して谷底をのぞき見てその深さを示す。山頂の高さも谷底の深さを描くと同時にそこに立つ女の風になびく髪を見せる。その姿が鮮やかを極めている。(2021年5月歌舞伎座 第三部 – 渡辺保の歌舞伎劇評)

渡辺保の劇評 2021年5月 歌舞伎座一部

 もう一つ驚いたのは、これはお嬢とお坊の立ち廻りになった時にフッと舞台をよぎった風が、なんとなくお嬢とお坊は互いに好感を持っている、友人になりたいという雰囲気を暗示していたことである。そしてそれは現実になる。二人の中に飛び込んだ和尚吉三を巻き込んで三人はたちまち兄弟になる。こんな好感溢れる三人の吉三を今まで見たことがなかった。その点でもこの「三人吉三」は画期的といわなければならない。

この緊張感は猿之助が頼光に出たためである。この二人の組み合わせが舞台に大きく幅を与えている。見ている観客もそれに巻き込まれて面白く、花道のカーッと口をあけての引込みまで、近来にない芸の火花の散り様であった。本来ならば土蜘に廻ってもおかしくない猿之助が頼光に廻ったための大舞台である。(2021年5月歌舞伎座 第一部 – 渡辺保の歌舞伎劇評)

渡辺保の劇評 2021年5月 歌舞伎座二部

 この勘平は紋服に着替えて、「お家の真ん中」で座ってから、おかやの話を聞いているところがことにいい。顔色一つ変えずにジッと聞いていて、それでいてシッカリとハラで芝居を受けている。ここらが駆け出しの勘平役者の及ばぬところ。まるで白湯でも呑む様な心地よさである。与市兵衛が帰ったのは引け過ぎと聞いて、それとなく俺が旅人を撃ったのは何どきだったかと無意識に指を折って時間を数え、フッと不審に思ったその視線が、お才の手許の縞の財布に行く具合のさりげなさ。まるで当てッ気のない芝居運びで、例の懐中の財布と見合わせる段取りから段々時代になって行く呼吸。見事なものである。(2021年5月歌舞伎座 第二部 – 渡辺保の歌舞伎劇評)

2021年5月7日金曜日

秀太郎が旭日小褒章を受章

 4月29日(木・祝)、片岡秀太郎が旭日小綬章を受章することが、内閣府より発表されました。(秀太郎が旭日小褒章を受章|歌舞伎美人)

2021年5月6日木曜日

七月大歌舞伎 2021年7月 歌舞伎座 演目と配役

 演目と配役(七月大歌舞伎|歌舞伎座|歌舞伎美人)

久々の海老蔵出演。吉右衛門・菊之助の鈴ヶ森、楽しみです。