第二部の「道行旅路の花聟」が気に入った。いかにも歌舞伎を見ている愉悦があって今月一番のいい気分だった。こういう愉悦は清元ならではでもあるが、梅枝のおかるが期待に応える良きものだったし、錦之助の勘平も、この段の勘平としてうまくはまっている。萬太郎の伴内といい、思えばみな、三代目歌六のひ孫たちである。(随談第642回 五月のもろもろ | 演劇評論家 上村以和於公式サイト)