2021年8月10日火曜日

渡辺保の劇評 2021年8月 歌舞伎座

 高四郎初役の義賢は、仁左衛門の指導よろしきを得てせりふが巧い。低い声から高音までのせりふ廻しが義太夫狂言らしく、かつ心持が籠っていて上出来である。役のスケールの大きさ、この役の異常なまでの正義感がそのせりふに出ている。(2021年8月歌舞伎座 – 渡辺保の歌舞伎劇評)