老け役のるんを演じることについて「自分にできるかどうかわからなかった」と菊之助。だが、父・菊五郎が婆(ばば)役、市川左団次が爺(じじ)役をつとめた六月公演の「夕顔棚」を見て「情のある夫婦の形はいいな」と思い、「こういう世界観を描ける役者になりたい」と初役への挑戦を決めたという。(情のある夫婦の形 「ぢいさんばあさん」菊之助、老妻に挑戦:東京新聞 TOKYO Web)
2021年11月26日金曜日
11月歌舞伎公演 国立劇場賞のお知らせ
11月歌舞伎公演「一谷嫩軍記」の受賞者は下記の通り決まりました。
○奨励賞 中村児太郎 (経盛室藤の方の演技に対して)
○奨励賞 中村橋之助 (堤軍次の演技に対して)(11月歌舞伎公演 国立劇場賞のお知らせ | 独立行政法人 日本芸術文化振興会)
2021年11月18日木曜日
中村獅童のおめんであそぼ とびだす!かぶきえほん
中村獅童/作・田中大六/絵 主婦の友社 B5変形版 本文18p 2021年11月25日発行 定価¥1,870(税込) 「日本の伝統芸能、歌舞伎に初めてふれる子どもたちのためにつくったしかけ絵本です」 ―二代目中村獅童(中村獅童のおめんであそぼ とびだす!かぶきえほん | 歌舞伎 on the web)
渡辺保の劇評 2021年11月 国立劇場
すなわちその様式的な造形の面白さを十二分に生かしながら、しかもなお今まであまり芝翫型で顧みられなかった人間的な内容がそこに生きて、原作のテーマが団十郎型よりも強烈に浮かび上がらせることに成功した。三度目にして渾身を込めた芝翫の力作であり、大きな進境である。かくて私は今まで味わったことのない、この作品の本質を味わった。(2021年11月国立劇場 – 渡辺保の歌舞伎劇評)
渡辺保の劇評 2021年11月 歌舞伎座三部
今度のこの芝居ではすでに触れた通り猿之助の師直第一、幸四郎の二場目の若狭助第二。続いて第三、若手でトップの出来はこの歌昇の由良助。「外伝」とはいえ、この若さで歌舞伎座の大舞台での由良助の初役、それを見事に仕こなしたのは大手柄である。この場の葵太夫、慎治もいい、(2021年11月歌舞伎座 第三部 – 渡辺保の歌舞伎劇評)
渡辺保の劇評 2021年11月 歌舞伎座二部
巳之助の五郎は、まず面長で、剥き身の隈取がしっくりはまって初役とは思えぬ円熟ぶりである。それに姿全体に丸味があるのがよく、踊りの名手だけあってカドカドのきまりの形がいい。真っ当にやっていて嫌味なく、余計な夾雑分もなくスッキリしている。まだ若く、しかも初役なのに、既にしてその姿に味わいがある。せりふに多少破調もあるが、まずはいい五郎、他の人にはない趣きがいい。(2021年11月歌舞伎座 第二部 – 渡辺保の歌舞伎劇評)
渡辺保の劇評 2021年11月 歌舞伎座一部
白鸚の直弼は、若やいだ爽やかさ、どことなく改革者としての英断の翳を持った人の、孤独な影が目に染みる。(2021年11月歌舞伎座 第一部 – 渡辺保の歌舞伎劇評)